できることを一生懸命にやる人が偉いのです

2006年に放映された草彅剛さん主演の「僕の歩く道」というドラマをご存じでしょうか。草彅剛さんが演じる自閉症の男性がドラマの中で「いろいろなことができる人が偉いのではありません、できることを一生懸命にやる人が偉いのです。」というセリフをドラマの要所要所で話すのです。私はこの言葉にハッとさせられ、私もそのように生きていけばいいのだととても納得したのです。人には頑張ってもできないことがあります。できないことをやらなければならないとなるととても苦しくなります。でも自分のできることだったらできますし、できれば楽しくなります。私はこの言葉を聞いてホッとする気持ちになりました。

この言葉は、自閉症の主人公が育ちの中で事あるごとに母親から聞いてきた言葉です。主人公は、動物園の飼育員の仕事を得てこの言葉を実践します。動物の餌となるリンゴを正確に丁寧にきちんと切る、動物の小屋をとても丁寧に掃除する、など与えられた仕事を本当に一生懸命に行うのです。それに対し、動物園の園長は自らの出世ばかりが気になり、体裁ばかりを気にして真に動物を愛することができなかった自分に主人公の姿や言葉から気づかされるのです。そして、いろいろなことが気になって上辺だけで繕う自分が嫌になり、本当に自分ができること、自分がしなければいけないことを一生懸命にやることが大事なのだと気付くのです。

私も、この園長と一緒だなと思いました。あれもやろうこれもやりたいと思い、何か焦っている自分がいたのです。私ができることを一生懸命にやればいいんだと思った時にスッーと身が軽くなった気がしました。そう、たくさんのことができることがえらいのではなく、できることを心を込めて懸命に行うことが一番大切なことなのだと気が付いたのです。

私は子どもたち一人一人にこの言葉を送ってあげたいと思います。「あなたのできることを一生懸命に行いなさい」と、できることを一生懸命にやることこそ子ども達の元気の源だと思います。そういえば、ミヒャエル・エンデの小説「モモ」に出てくる道路掃除人のベッポも同じだなと思いました。来る日も来る日も、一掃き一掃き道路を掃除するベッポはとても幸せそうなのです。あれこれやってみることはとても大切ですが、自分のできることを懸命に行うことこそ幸せなことだと思えるのです。

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