時の流れを楽しむ

日本には四季があり、そのうつろいを短歌に詠み、唄として奏でるなどして楽しむ文化があります。限られた人生の中で、人はどれだけ時の流れを楽しむことができるのでしょう。

春になれば、植物がいっせいに芽を吹き、動物が盛んに行動を開始します。夏になれば、花が咲き誇り、動物は懸命に子育てに励みます。 秋には、実がみのり種子を作り、動物は冬支度にいそしみます。そして厳しい冬、動物も植物も息をこらして、じっと春が来るのを待ちます。

そんな自然のうつろいを身近に感じながら、音楽を奏で、絵を描き、詩を読み、歌を口ずさむ。また、ジョギングや野球、サッカーなどスポーツを楽しむことで、はじめて自分と向き合える感じがします。

肩の力を抜いて、風を感じながら、芸術やスポーツに身をまかせ、無意識に体を動かしていると、時間が流れていくのを心地よく感じることができます。

私は、50才代後半まで週末になるとよく自宅近くの川沿いを走り海に出て、そのまま海岸線をしばらく走り折り返して帰ってきました。森ではウグイスが鳴き。海は、雨の日晴れの日曇りの日と季節の変化も交えながら一度として同じ表情になることはありませんでした。まさに、自然からエネルギーを受け、時の流れを味わっている気持ちがしました。 自然に浸ること、力を抜くこと、無意識に体を動かすことがポイントです。下の「まの抜けた絵」は、私が中学校の学級担任の時に学級通信によく載せた絵です。自然があり、力が抜けて、素になることを、よく子どもたちに伝えてきました。

ICT機器が発する多様な情報の渦に飲みこまれることなく、自然の中から時の流れを楽しむすべを、子どもたちにも身に着けていってもらいたいと思ったからです。

どじょっこ ふなっこ 

東北地方民謡

はるになれば しがこもとけて

どじょっこだの ふなっこだの

よるがあけたと おもうべな

なつになれば わらしこおよぎ

どじょっこだの ふなっこだの

おにっこきたなと おもうべな

あきになれば このはこおちて

どじょっこだの ふなっこだの

ふねっこきたなと おもうべな

ふゆになれば しがこもはって

どじょっこだの ふなっこだの

てんじょこはったと おもうべな

※しがこ=氷 ※わらしこ=子ども

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