夕日をつかみたい
夕日をつかみたい
たなか さとし
少年が夕日をめがけて走っている
だんだん沈む夕日に向かい
ただただ心を無にし、全能力、全エネルギーを一滴残らずふり絞り疾走する
「夕日をつかんでやる」と思うのです
でも 少年は知っているのです
本当は そんなこと とても
できっこないってことを
でもでも その若さが
打算抜きの力が
ぼくにはほしいと少年は思うのです
ダメダメの自分。何もできない自分。でも何とかしたい。どうにかなりたい。
と、思うのが若さではないでしょうか。
子どもたちには、へこたれず、踏みつけられても、上を向いて前進してほしいといつも思っています。