学校における3つのマネジメント(学年経営・学校組織マネジメント・カリキュラムマネジメント)

私が、中学校の教員として採用された1980年代、学校運営は学年組織に多くの部分が任されていました。生活指導も進路指導も旅行的行事も学年が中心となって行っていました。一方で学校には校務分掌という係があり、掃除や給食、委員会活動や入学式、卒業式、運動会などの行事は職員全員が係分担をして運営を行っていました。また教科指導に関しては、多くの部分が教科担当に任されていましたし、学級経営も各担任に任せられているところが多かったように思います。良い意味でも悪い意味でも各担任が個性的な授業や学級経営を繰り広げていたように感じます。

2000年代に入り、主幹教諭という新たな職が設けられると同時に、学校では校務分掌に代わって学校組織マネジメントによる学校運営が行われるようになりました。主幹教諭が中心となり、学校独自に学校運営に必要なグループを作り組織的に学校運営を行い、改善を図る仕組みが出来上がったのです。たとえば、より良いカリキュラムの作成を目指し実施するグループ、学習指導の問題点を洗い出し改善を行うグループ、児童生徒理解や生徒指導を組織的に行い、より良い支援や指導を目指すグループ、児童会や生徒会活動などを通して子ども達の自主活動を活性化させ改善を図るグループなどです。校務分掌と大きく違うのは、学校やグループの目指す目標を明確にして事業を企画し常に改善を組織的に行うところです。

そして、2020年に小学校で、2021年中学校で全面実施されている新学習指導要領では、カリキュラムにおいても統一感のある指導が学校に求められることになりました。これまでは、国語科は国語科の指導、社会科は社会科の指導を行うことが主な目的とされてきましたが、それら教科などの目的を達成させるとともに、学校として子ども達に身に付けさせたい能力を国語や社会の指導の中で職員が共通認識を持って指導をしていこうとするものです。たとえば、うちの学校の子ども達にはもっとコミュニケーション能力をつけさせる必要があると考えたならば、国語や社会、委員会活動や学級活動など全てのカリキュラムの中で意図的にコミュニケーション能力が育つ方策を考えながら指導をしていこうという試みです。これをカリキュラム・マネジメントといいます。

現在の学校では、このように学年で子ども達を見て、カテゴリーに分かれた分野別のグループで子ども達を見て、さらに教育活動の中心である教科や各活動時間の中でも組織的に育てたい資質を向上させる取り組みが行われるようになりました。子どもを学校に通わせるとき、学校がどのような力を子ども達につけさせようと考えているのか、また、どのような方法でその目標を達成させようとしているのかを知ることで、学校に対する見方や協力の視点も変わってくることと思います。

中学校の3つのマネジメント例

参照:カリキュラム・マネジメント

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