道路掃除夫ベッポの言葉

ミヒャエル・エンデ作「モモ」に登場する、モモの親友、道路掃除夫ベッポをご存じでしょうか。ベッポは、おっそろしく長い町の道路を「ひとあしすすんではひと呼吸(いき)し、ひと呼吸(いき)ついては、ほうきでひとはきします。ひとあしーひと呼吸(いき)―ひとはき。ひとあしーひと呼吸(いき)―ひとはき。」ベッポは言います。「いちどに道路ぜんぶのことを考えてはいかん。つぎの一歩のことだけ、次のひと呼吸(いき)のことだけ、次のひとはきのことだけを考えるんだ。いつもただ次のことだけをな。」ベッポは、いちどに道路ぜんぶのことを考えると心配になって息が切れて動けなくなってしまう。でもいつも次のひとはきのことだけ考えると楽しくなって仕事がはかどると言います。

私は、ミヒャエル・エンデのモモに登場する道路掃除夫ベッポに出会って以来、いつ終わるかわからないような仕事を前にしたときはいつもベッポのこの言葉を思い出しては「ひとあしーひと呼吸(いき)―ひとはき」と目の前の一つ一つの仕事を丁寧に片付けるように心がけています。するといつの間にか仕事は終わっています。今が大事なのです。マラソンを走っていた時も、あと30km、あと20kmと考えると体が重くなりますが、リズムよく今を走っていると体は軽くなってきます。長期の目線で戦略を立てることは重要なのかもしれませんが、それ以上に今をしっかり生きることが大切だと私は思います。人生も同じで、先のことばかりに気を取られるよりも今日をどう生きるか、今日をどう戦うか、今日をどう楽しむかを考えていると、気持ちよく生きられる気がします。今、何をすべきか、今、どう生きるか、「観却下」に似ていますね。

参照:観却下

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