命
命
たなか さとし
曲線と直線の
美しさ
緑と茶の
調和
雄大さと可憐さの
コントラスト
清水寺、東大寺、南禅寺
先人たちは 何を考え 何を思い
これほどのものを
つくりだして いったのだろう
京都や奈良の寺社仏閣を目にするたびに、人の思い、人の願いを感じます。寺社の壮大さは、かつては権力の象徴であり、権力者が願いをかなえるための存在でした。その寺社への願いが庶民に広がり日本中の人々が足を向け祈りをささげる場となりました。京都、奈良のおびただしい数の寺社は、あらゆる人の思いや願いを受け止めてきたのです。そこには、生まれ、育つことの難しい現実、生きることの難しい現実がありました。命があることが決してあたりまえでない現実と向き合う人々の思いや願いがにじみ出ているのだと思います。